
複数拠点のネットワークをつないで一元管理したい!学校ネットワークのよくある課題と解決策
学校ネットワークは、教育・研究活動を支える重要なインフラです。しかし、その運用には多く課題が存在します。今回は、学校ネットワークによくある課題と、その解決策について解説いたします。合わせて、当社が構築したお客様の事例もご紹介いたします。
目次[非表示]
- 1.学校ネットワークのよくある課題
- 1.1.多数のキャンパスがあり、ネットワーク管理が煩雑
- 1.2.ネットワークの専門知識を持つ人材が不足
- 1.3.学生や教職員の利用人数が多く、トラフィックが集中
- 1.4.様々なデバイスが接続され、セキュリティ対策が複雑
- 2.主な解決策
- 2.1.クラウドベースの一元管理
- 2.2.自動異常検知とネットワーク状態の可視化
- 2.3.AI による自動最適化
- 2.4.高度なセキュリティ機能の導入
- 3.当社の構築事例
- 4.まとめ
学校ネットワークのよくある課題
多数のキャンパスがあり、ネットワーク管理が煩雑
例えば、大学には多数のキャンパスや施設があり、各拠点で独立したネットワークが構築されていることが多くあります。このような個別のネットワーク管理は、拠点間のデータ共有やリソースアクセスを困難にし、物理的に離れたキャンパスでは直接的な管理や確認が難しくなります。ネットワーク管理が煩雑化すると、障害発生時の対応が遅れ、セキュリティや運用コストにも大きな影響を及ぼす可能性があるため、多くの大学ではネットワークの統一管理が求められています。
ネットワークの専門知識を持つ人材が不足
学校によっては、ネットワークの専門知識を持つ人材が不足しており、効率的なネットワーク管理や障害発生時の対応が難しい場合があります。
また、ネットワークに障害が発生した際には、原因の特定に多くの時間と労力がかかります。その間、システムの利用が制限されるため、利用ユーザーに大きな影響を及ぼします。特に、複数のネットワーク機器やシステムが連携している環境では、障害の発生源を迅速に特定し、切り分けることが難しく、これが原因で復旧に時間がかかることがあります。ダウンタイムが長引くことで業務や教育活動に支障をきたす可能性があるため、迅速な原因特定と効率的な切り分けが不可欠です。
学生や教職員の利用人数が多く、トラフィックが集中
学校では、多数の学生や教職員が同時にネットワークを利用するため、トラフィックが集中し、ネットワークが不安定になることがあります。さらに、近年では動画ストリーミングやライブ講義の増加に伴い、迅速で安定したネットワーク環境の提供が求められています。
様々なデバイスが接続され、セキュリティ対策が複雑
学生や教職員が様々なデバイス(PC、スマートフォン、タブレットなど)をネットワークに接続するため、セキュリティ対策が複雑になります。
その中でも特に注目すべきは、BYOD(Bring Your Own Device)の普及です。学習効率の向上やコスト削減の観点からBYODを導入する学校が増えていますが、これは同時にセキュリティ対策をより一層複雑にする要因となります。これらの個人所有デバイスは、マルウェア感染や不正アクセスの侵入口となる可能性があり、学校全体のセキュリティレベルを低下させる恐れがあります。
主な解決策
「多数のキャンパスがあり、ネットワーク管理が煩雑」の解決策
クラウドベースの一元管理
クラウドベースでネットワークを一元管理することにより、ネットワーク管理者はどこからでもネットワークの状況を把握し、設定変更や障害対応を行うことができます。また、管理権限を設定することで、各キャンバス・施設等がそれぞれの利用権限で管理できるようになります。
「ネットワークの専門知識を持つ人材が不足」の解決策
自動異常検知とネットワーク状態の可視化
AI機能など、最新技術が搭載された機器を導入することで、専門知識がなくてもネットワーク管理が可能になります。AIが自動で最適な設定を学習して実施するため、トラフィックの分散や障害対応が効率化されます。
また、ネットワークの異常を自動で検知する機能は、異常発生時には原因を迅速に特定することが可能です。また、可視化ツールを活用することで、ネットワークの状態を即座に把握できるため、迅速な対応が可能となり、ダウンタイムを最小限に抑えることができます。
「学生や教職員の利用人数が多く、トラフィックが集中」の解決策
AI による自動最適化
AIが電波状況やトラフィック状況を自動で学習し、最適なカバーエリアと電波強度を自動調整できる製品も存在します。これにより、ネットワークの安定性とパフォーマンスが向上し、ユーザーエクスペリエンスも改善されます。
「様々なデバイスが接続され、セキュリティ対策が複雑」の解決策
高度なセキュリティ機能の導入
最先端の技術を活用した高度なセキュリティ機能を導入することにより、不正アクセスやマルウェア感染からネットワークを保護します。これにより、攻撃を正確に予測・阻止することでセキュリティレベルが向上し、管理が簡素化されます。
安全で快適な学習・教育環境を実現するためには、従来の対策に加えて、より高度なセキュリティ機能の導入が不可欠となります。
例えば、BYOD環境におけるセキュリティリスクを軽減するためには、デバイスの可視化と制御を強化するソリューションが有効です。ネットワークに接続する全てのデバイスを把握し、OSやセキュリティパッチの適用状況、コンプライアンス状況などを一元的に管理することで、不正なデバイスの侵入を防ぎ、セキュリティポリシーの適用を徹底することが可能になります。
また、巧妙化するサイバー攻撃から学校の機密情報を守るためには、ファイアウォールや侵入検知・防御システム(IDS/IPS)といった基本的な対策に加え、エンドポイントでの保護、Webフィルタリング、そして振る舞い検知といった高度な機能を組み合わせることで、多角的な防御体制を構築することができます。特に、未知のマルウェアや標的型攻撃に対しては、従来のシグネチャベースの対策だけでは不十分であり、AIを活用した振る舞い分析による早期検知と対応が求められます。
当社の構築事例
東京大学様(導入機器:Juniper Mist)
お客様インタビュー記事はこちら
国内外で高い評価を受けている研究教育機関の東京大学では、新型コロナウイルス感染症の影響によりオンライン授業が急速に普及したことで、学内ネットワーク環境の見直しが急務となりました。そこで、広大な敷地内に安定した無線LAN環境を整備するために、ソフトバンクとそのグループ会社であるSBエンジニアリングが提案した Juniper社のMistを採用し、複数の部局で管理できるシステムを構築しました。管理・運用にかかる負荷の分散やネットワークの可視化を実現して学部をまたいだ安定した接続を可能にしたことで、学生は他学部や離れたキャンパスなどの幅広い履修が可能になりました。
構築前の課題
①オンライン授業対応が急務となり、学内ネットワーク環境の見直しが必要となった。
②全国に広大な敷地を保有していて、運用管理の分担が必須であった。
構築後の効果
①全学で安定したネットワークを利用できるようになったことで、学生は幅広い履修が可能になった。
②Mistを導入したこと部局ごとに管理者権限を付与でき、100名以上の部局担当者がログインして管理できるネットワーク構築ができた。
まとめ
複数拠点のネットワークを一元的に管理することは、学校や企業にとって非常に重要ですが、ネットワークの個別管理、セキュリティリスク、運用の複雑さ、パフォーマンスの低下といった課題が存在します。これらの課題に対する効果的なソリューションを導入することで、安定した教育環境や業務活動を支えるネットワークの基盤を確保することができます。また、ITシステム担当者の負担の軽減にも繋がります。
学校ネットワークの見直しをしたい、新規に構築をしたい、などのご要望がございましたら、まずは課題やご要件をお聞かせください。当社は、専門的なネットワーク知識やノウハウを活かして、お客様の環境に最適な製品や運用をご提案させていただきます。