


―今回のプロジェクトが始動したきっかけを教えてください。
「旧本館の老朽化が進む中、新南館の完成を約1年半後に控えた時期に、三好頭取から強い指示が出たことがきっかけです。『20代、30代の若手社員が働きやすい、就職したいと思えるようなオフィスにしなければならない。』というものでした。これを受け、部署横断で選抜された若手社員約20名によるプロジェクトが発足しました。」(栗田氏)
―プロジェクトのスローガンにはどのような思いが込められているのでしょうか。
「私たちは“Chance!~進むために変わる、今がその時~”というスローガンのもと、以下の3つのコンセプトを策定しました。
中でも「地銀No.1のオフィスをつくる」という目標において、DXを推進し、多様な働き方を支える最先端のオフィスを実現することは、我々に課せられた重要な使命でした。この若手社員たちの正直な思いには、私たち上層部も正直驚かされました。我々としては、次に控える新本館オープンにおいても、その思いをしっかりと実現することが非常に重要であると感じております。」(栗田氏)
―推進体制についても教えてください。
「伊予銀行側は、総合企画部から2名、グループ会社であるいよぎんコンピュータサービスの社員3名の計5名体制で進めました。要件整理には約1年をかけ、定期的なミーティングを実施しました。時にはソフトバンクさんが現地で関係部への丁寧なヒアリングを行ってくださるなど、非常に手厚いサポートをいただきました。」(栗田氏)
―当初は総合企画部内での計画に苦労されていたそうですね。
「理想はあっても、『何から手をつけていいか分からない』『世の中のトレンドに合っているのか』『実現したい姿に最適なソリューションは何か』と、暗中模索の状態で理想だけを語る状況でした。そこで、以前より信頼関係があったソフトバンクさんを含む複数社にお声がけしました。」(栗田氏)
―ソフトバンクとSBエンジニアリングを選定した決め手は何でしたか?
「最大の理由は、他社がレイアウトの議論に終始する中で、唯一、OTネットワークの重要性を説いてくれた点です。将来AI活用や設備導入を行う際、強固なOTネットワークがないと立ち行かなくなるという付加価値の提案は、ソフトバンクさんだけでした。 表面的なコストは高く見えますが、長期的な視点でNWの追加や拡張性を考えると、OTネットワークがある方が結果的にコスト削減に繋がると判断しました。また、ソフトバンクの“Knot(結う)”のコンセプトが若手の「繋がりたい」という思いに合致したこと、さらにソフトバンクの竹芝本社ツアーで本社移転の実体験に基づいた豊富なノウハウと熱意に触れられたことも大きな安心感に繋がりました。実際のネットワーク構築においては、グループ会社のSBエンジニアリングさんが実務を担ってくれました。」(栗田氏)

―ネットワーク機器選定において「Juniper製品」を採用された理由は?
「採用の決め手となったのは、『設計のシンプルさ』と『品質の安定性』です。ネットワークというインフラストラクチャーが、利用者に提供できる最も価値の高いものは、『いつでもどこでも当たり前のように繋がること』だと考えています。ゆえに、複雑で属人的な作り込みを行うことなく、シンプルに設計でき、機器の製品品質に定評のあるJuniper社の製品を採用することにしました。」(栗田氏)

OTネットワークのコンセプト

導入したJuniper製品(アクセスポイント、スイッチ)
―インフラ構築におけるSBエンジニアリングの対応はいかがでしたか?
「ゼネコンとの調整面については、別途取りまとめ業者様がいましたが、ソフトバンクさんとSBエンジニアリングさんが色々とアドバイスをしてくれたり、別途スケジュール管理をしていただいたおかげで大きな事故無く工事を完了することができ、また我々は別の業務に集中することができたのは、本当に助かりました。」(栗田氏)
―スケジュール管理やトラブル対応についても伺えますか?
「本プロジェクトは『2025年5月のゴールデンウィーク明けオープン』がマストでした。ソフトバンクさんとSBエンジニアリングさんは「どう進めたらいいか」という相談に対しても常にスピーディーに対応し、スケジュール管理をしてくれました。また、施工段階での急なレイアウト変更やスケジュール調整、Web会議端末の不具合調査など、予期せぬ事態が多発しましたが、関係各所と連携していただき、5月のオープンにスケジュールを間に合わせることができました。この時は、『ソフトバンクさんとSBエンジニアリングさんに任せてよかったな』と改めて心から感謝しました。運用面でも、OTに接続されている機器起因のバーストトラフィック発生時に、原因究明から具体的な対応策の提案まで迅速に行っていただき、非常に心強かったです。」(栗田氏)
―導入された顔認証システムの選定理由を詳しく教えてください。
「生体認証が当たり前になる未来を見据え、『カードを極力使わない建物』『セキュリティレベルを一段階引き上げる』ことを目指しました。指紋や虹彩、静脈認証なども比較検討しましたが、最もセキュリティレベルが高く、かつ利用者の心理的負担も少ない「顔認証」の採用を決定しました。 紛失リスクのある社員証を持ち歩く必要がなくなり、手が塞がっていても「顔パス」で移動できる利便性は非常に好評です。複合機の印刷や一部の特定エリアを除き、ほとんどの運用が顔認証だけで完結できるようになりました。」(栗田氏)
―全会議室に導入されビデオ会議ソリューションや、デジタルサイネージの評判はいかがですか?
「ビデオ会議ソリューションは『どの部屋に端末があるかを気にしたくない』という若手社員からの強い要望で全室に導入しました。その結果、Web会議が途切れることなく非常にスムーズに進行するようになり、インフラの安定性を実感しています。デジタルサイネージは、当初上層部から反対の声もありましたが、頭取による強力なペーパーレス化の推進指示が後押しとなりました。実際に運用を開始すると、多くの部署から『これを配信したい』という依頼が相次いでいます。社内イベントの周知だけでなく、キッチンカーの誘致スケジュール投影など、今では欠かせない情報共有のインフラとなっています。」(栗田氏)
―イベントスペースのスクリーンや役員会議室など、AV設備へのこだわりも感じられます。
「イベントスペースのスクリーンは、2029年の新本館完成を待たずに『今すぐコミュニケーションを活性化させたい』という思いから先行して環境を整えました。ゲーム大会や、100人規模の観戦イベントも企画しており、高品質なマイクやプロジェクターを導入して本当に良かったです。また、役員会議室も劇的に改善されました。以前は有線マイクの調子が悪く音が拾えないといったトラブルがありましたが、天井マイクの導入で配線が消え、トラブルで担当者が呼び出されることもなくなりました。」(栗田氏)


デジタルサイネージ
―オフィス刷新を検討されている方へアドバイスはありますか?
「悩む前にパートナーを見つけ、相談を早く開始することをお勧めします。我々は取り掛かりが若干遅く、やりたいことをするために一部の意匠を犠牲にした反省があります。早期の相談が成功の鍵です。」(栗田氏)
―オフィス刷新がもたらした変化と、今後の展望をお聞かせください。
「ハード面の充実はもちろんですが、何より『以前よりも、自然とオフィスに足を運びたくなる』という社員の心理的な変化が大きいです。スクリーンを活用したイベントやゲーム大会なども企画しており、コミュニケーションの活性化を肌で感じています。今回の新南館での取り組みは大成功でした。ソフトバンクさんとSBエンジニアリングさんに相談・依頼して本当によかったと思っています。新南館で得た知見や運用の手応えは、2029年完成予定の新本館にも積極的に取り入れたいと考えています。新本館ではAIカメラなどの最新技術を導入し、さらなるスマートオフィスの実現を目指します。映像データの一元管理やAI活用など、より高度な環境づくりへのチャレンジを続けていきたいと思います。」(栗田氏)
新南館で実現した「地銀No.1」のオフィスづくりは、伊予銀行様が挑むDX変革の大きな一歩となりました。SBエンジニアリングは今後も、確かな技術力と現場力で同行のさらなるスマートオフィス化を全力でサポートし続けてまいります。